ITエンジニアのぼやき

都内メーカーITエンジニアが、ただただ気になったことを書いて、薄い知識で考えを共有していくだけのブログ。

僕の研究日記(1)〜平凡な私がトップ研究室に!?〜

(2019/4/6 published) 

(2019/5/12 revised)

 皆さんこんばんは!私は都内の理系*単科大学D通大に通っている新B4のぎりです。去年の年末に研究室の配属が決定し、現在GWに行う実験に向けて、勉強中です。

 なぜ、突然このブログを新しく始めたかというと...自分の経験は1年後、同じ道を歩む人にとって、研究を始める人にとって、良い資料になるのではないと思ったからです。

 私の友達の中には、半年前から研究室に配属され、同学年より先に研究してる人や、論文をすでに何本も書き、国際学会に参加したりしている人もいます。

 しかし、私は特別学力が高いわけでもなく、ある科目に特化した能力を持っているわけでもありません。ただ単位を落とさないように、なるべく授業に出て、友達に教えてもらいながらテスト勉強して、無事に落単なしで4年生まで進学した、ごく普通の学生です。そんな学生がトップレベルの研究室に入ってしまい、研究漬けの生活を送ることになった壮絶な物語(仮)を、これから研究者になる学生や研究をする予定がない学生も、理系の学生はどんなことをしているのか知ってもらいたいです。

今日の内容
  •       私の学力と私の大学

  •       研究室選び

  •       私の研究テーマ

  •       私の研究室

 

第1章,1節  研究スタートまでの道のり

 

1.1 私の学力と私の大学

 まずここで大事になってくるのは筆者のステータスです。よくネットで参考になりそうなブログを閲覧してると、読んでるうちに...

 なんやこいつただの天才やんけ!

 なんやこいつただの金持ちやんけ!

 なんやこいつ運良すぎやんけ!

ってことが多々あります。これでは一般家庭で育って、かつ平凡な私には全く参考にならず、最後まで読む事なく、時間の無駄になってしまったことが何回かあります。私が知りたいのは、普通の理系大学生が歩むであろう道なんですよ!!

 ということで、まずはこのブログを読むにあたって必要であろう私のプロフィールを記載していきます。

 出身は愛知県で、市内の自称進学校(毎年東大が1,2人、地元名大に数十人受かる程度の公立高校)を卒業し、一浪して電T大に入学しました。このD通大は都内にキャンパスを構える理系単科大学で、ネットでは「おてごろ大学」とかかれるほどの偏差値です。

 「おてごろ大学」とかかれる所以は、この大学の偏差値と研究レベルのギャップにあります。

 DT大は国立大で、はっきり言って合格を勝ち取るのはそこまで難しくはないのが本音ですね。関東で理系というと、東大、東工大、筑波大、横国農工大千葉大、早稲田、慶応、理科大...とあげれば山ほど出てくるのですが、その中でもかなり合格の基準は低い方であると私も感じます。

 しかし、それに反して研究レベルが高い研究室が大学内に多く存在し、*電通大の名を理系界に轟かせているのは確かです。

 そう、このギャップが今回私がブログを書くきっかけとなった悪の元凶?だったのです...。

1.2 研究室選び

 私の大学は学部3年の11月くらいから研究室配属の希望調査が始まります。類(専門エリアみたいなもの)によって始まる時期や、志望方法が違うのですが、私の類は第一志望フェーズ、第二志望フェーズ、第三志望フェーズと別れていて、それぞれの研究室が設けている枠数を取り合う形になっていました。

 希望を出した後、教授と面談を行い、教授からOKを貰えば晴れて配属決定です。これも研究室ごとで基準が違い、完全に*GPA(成績)で決める研究室や、面接の雰囲気、教授の前でプレゼン、教授の論文を批評する研究室も存在しました。

 私の研究室では、面接と成績を総合評価され、合否を言い渡されました。無事に配属が決定したのが12月の末のことでした。

 私の研究室は、配属希望調査公開前は人気が高く、オープンキャンパス時は大盛況な研究室でした。しかし!いざ蓋をあけてみると...私1人のみ。あれ!?何で??...そう思ったのは私だけではないようでした。そのため、誰とも争うことなくあっさり合格。これには様々な理由があったと私なりに考えています... 。

1.3 私の研究テーマ

 私の研究室は、無人航空機(UAV)の制御をメインに研究をしています。無人航空機の種類は現在二つで、パラシュートのついたpowered paraglider (PPG) と 全翼機(Flying-Wing)型の二種類です。

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 全翼機とはみなさんが飛行機と言われた時に想像するようなものではなく、胴体部や尾翼がなく、一枚の主翼のみによって機体全体が構成された飛行機のことをいいます。

 利点として、尾翼がついていないので、全体の空気抵抗がなくなる、同じ翼面積でも通常の飛行機より軽量化できる、ペイロードの増加、ステルス性が高いなどが挙げられます。

 しかし、欠点として機体の安定性が悪い。ここの部分を改善する、姿勢制御を行うのが我々の研究テーマであるのです。

(wiki引用)

 これについての話すと長くなってしまうので、また別の記事として作成します。(2019/4/7 現在未作成)

 次の項目では研究室のルールや雰囲気を書いていきます。

1.4 私の研究室

 私の研究室は、タイトル通りレベルが高いです。どのようにレベルが高いかと言いますと、特に教授が研究室のレベルを高めています。

 研究室配属されていない方は、教授がレベル高いと研究室もレベルが高いなんて当たり前、と思う方もいると思いますが、研究室全体のレベルを高める要因として必ずしも教授とは限りません。有名な教授のところには優秀な生徒が集まるので、必然的にレベルは高くなるのですが、教授の面倒見が悪い(自分の仕事ばっかりする)と生徒をほったらかしにしてしまい、全く研究しに来なくてもいい研究室が生まれてしまいます。現にDT大でもけっこう存在します。

 私たちの教授の論文が掲載されている*IEEE Transactionsの*Impact Factorや被引用回数、IEEEでの*会員資格(グレード)を見れば天才なのは一目瞭然なのですが、何よりもタスクごなしがえぐいのです。受け持ってる学生数は学部四年が3人、*博士前期が4人、*博士後期が5人、研究員が2人の計14人(内5人留学生)なのですが、研究テーマは大きく分けて三つあり、かつそれぞれテーマ別でほぼ毎週ミーティングを行っています。それに加え、教授はたくさんの企業と共同研究を行っているので、あの方がこなさなくてはいけないタスクの量は尋常じゃない事は言うまでもないです。秘書の方ですら忙しい時は3分しか会えないとか言ってました。笑

 それほど忙しいにも関わらず我々への指導は欠かさず行い、隅の隅まで確認して、的確なアドバイスを提示してくれます。

 先ほど記述した"ミーティング"(他の研究室でも行っている"ゼミ"とかいうぬるいものではありません)、これがかなり研究生活の水準を上げています。"毎週"、教授を含むグループでミーティングを行う研究室は聞いた限りそんなに多くないと思います。毎週教授の前で自分の進捗報告をし、研究の進み具合を見られますので、その週に行ったことを学術的に論理的に、かつ説得力のある資料を作成しないと教授からしっかりダメ出しされます。文章構成能力が皆無な私は今死ぬほど苦労しています。笑

 また、*コアタイムが存在しますので、平日は毎日朝から晩まで、春休み、夏休みも関係なく皆さん研究室に来て各々研究を行っています。今の新入社員より確実に忙しいと思います。

 これが今回第一希望で私しか志望しなかった理由だと考えています。教授は時間管理に関してとてもストイックなので、私たちが時間を1分1秒でも守らないと、とても機嫌が悪くなります。なので、研究室の面接の際に時間を守れるかどうかを結構念入りに聞かれました。これが今回第一希望が私だけだった原因だったと考えています。理系学生は基本夜型になりがちなので、朝早く来て研究する私の研究室はあまり好まれません笑。

 

 さあ、ここまでだらだらと書いていきましたが、研究室の雰囲気はだいたいこんな感じです。次回以降は、研究室に配属が確定した後の研究室の生活を書いて行こうと思います。研究生活スタートです!!

Next 研究生活スタート  (2019/5/12 公開)

 

単科大学・・・小規模で単一の学問領域を教育・研究する大学の日本における呼称である。

GPA・・・大学の全履修科目の成績の平均点のこと。

Impact Factor・・・自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として、その雑誌の影響度、引用された頻度を測る指標。

IEEE・・・アメリカ合衆国に本部を置く世界規模の電気工学・電子工学の学会。

会員資格・・・IEEEの会員資格には、学生会員(Student=S)から始まって、普通会員(Member=M)、上級会員(Senior Member=SM)、および、最高級のグレードであるフェロー(Fellow=F) がある。うちの教授はいうまでもなくFellow

博士前期・・・大学院修士課程のこと。基本二年間研究を行う。

博士後期・・・大学院博士課程のこと。基本三年間研究を行う。

コアタイム・・・大学においては、研究室に在室しなくてはいけない時間帯のこと。