ITエンジニアのぼやき

都内メーカーITエンジニアが、ただただ気になったことを書いて、薄い知識で考えを共有していくだけのブログ。

DJ好きの僕がサカナクションにハマった理由

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(2020/4/20 published)

皆さんこんにちは,外出自粛要請で暇を持て余しているぎりです.

唐突ですが,今回は前々から記事にしたかった「サカナクション」について書いていこうと思います.

ファン歴三ヶ月の私がサカナクションを調べてみた.

※音楽に関しては素人なので,技術的な内容は避け,全て私個人の感性に任せて記述しています.

 

今日の内容

 

サカナクション
ハマるべくしてハマった

 

サカナクションにハマったワケ

今年の初め,年が明け,研究もいよいよ大詰めとなり,卒論をゴリゴリ書いていた時期に,学生キャンペーンで三ヶ月無料になっていたspotifyを登録して,音楽を適当に聞いていました.

あまり最近の曲を聞いていなかったので,日本の曲をアップデートするためにシャッフルで曲を垂れ流しにしていると,ある曲の前奏で体全身にビビビビっと何かが流れるような感覚に会いました.

聞いたことないけど,多分これはスゴイ曲だ...そんな感覚を今でも覚えています.

それがこの曲.


サカナクション / 多分、風。 -New Album「834.194」(6/19 release)-

サカナクションの「多分、風。」(2016)

当時の自分は,サカナクションをよく知らないが名前は何回も聞いた事がある.ということは,一流のアーティストであることは間違いない.しかし「新宝島」がネットで遊ばれている,くらいの認識で他の曲なんて1つも知りませんでした

そこから少しハマって,とあるMVと出会います.それがこちら


サカナクション - アルクアラウンド(MUSIC VIDEO) -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-

サカナクションアルクアラウンド」

さすがサカナクションのMVスゴイ凝ってるな〜.映像が古い感じもそういったセンスなんだろう,と思って投稿日時をみたら,こちら

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2009年!?!? 私はこれを見た瞬間「ああぁぁこりゃダメだぁぁ天才だぁぁ」と素人ながら思ってしまい,とうとうハマってしまったのです・・・.

最近の曲と思って見ていたMVが10年以上も前.

周りのアーティストとは明らかにベクトルが違うのに,なんか「知らんけど」自然と日本の音楽に馴染んでいる.そう思いながらどんどんハマっていってしまいました.

しかし,なかなか簡単にハマらない自分が,こんなにもハマってしまったのには何か特別な理由があるじゃないかなーと思い,この暇な時間を使って,自分が曲から感じた事を中心にサカナクションという1つのチームを調べました.

 

山口一郎の人物像

ここで,なぜハマってしまったのかを説明する上でボーカル山口一郎さんの人物像(Background)は欠かせません.

山口一郎.北海道小樽市出身.札幌第一高等学校卒業.血液型はO型.
サカナクションのほぼ全ての楽曲の制作を行っている.サカナクションのメンバーの中でリーダー的存在で,フロントマンである.本人曰く,音楽を始めるきっかけは,文学だとも言っており,曲作りにおいて言葉を重要視している.wikipedia)[1]

まず,私がサカナクションにハマった理由をの1つに,歌詞にどこなく知性と言葉の飲み込みやすさを感じました.

ここで,「卓越した言葉のチョイスとセンスにハマった」これを1つの仮説(hypothesis)としましょう.

というのも,天才的と言われるアーティストはしばしば一般人には理解しにくい,文学的な域を超えた文章を歌詞に載せます.Mr.childlenの桜井さんなどが書く歌詞は,解説されて初めて少し理解ができる(ほとんどはわからない)ほど難しいものもあるので,独特な表現を多用する小説と同様にメッセージをすんなり読み取ることは,私のような国語力皆無な人には困難です.

それに比べて,サカナクションのボーカル山口さんの歌詞は非常にシンプルであると同時に,聡明さ,知性を感じました.これは彼が作り上げる作品の要素にあるものが深く関係していたのでした.

THE SONGWRITERSにおける音楽プロデューサの佐野元春さんとの対談では以下のように述べられています.

佐野:山口さんのライティングを、僕なりに感じてみると、例えば寺山修司とか、或いは宮沢賢治とか、そうした作家の感受性と…同じような、…ものを感じるんです。この辺の作家について、どうですか?

山口:ある独特の、日本独特のセンチメンタリズムというものが僕はあると思ってて、僕の周り、当時小学校か中学校ぐらいのときに、同じセンチメンタルを感じる仲間が、いなかったんですよね。で、僕がこう自分の中にあるセンチメンタルを、唯一、比較できたのが文学の中だけで、宮沢賢治さんもそうだし、僕は短歌や俳句も好きで、石川啄木さんの、あのー、なよなよしい(笑)短歌とかも、(省略)。…あと、種田山頭火さんの、自由律俳句というもの、その、俳句というフォーマットを壊している時点で、すごく僕はロックだなと思ったし、なんか、生き方自体も、すごく感銘できたというか。
(THE SONGWRITERS 佐野元春×山口一郎)[2]

山口さんの父は立命館大学に在籍中,学生運動をしていた程ぶっ飛んでいて,スパルタで本を読まされたり、自己形成について厳しく求められたりしながら育った,とか.

当然アーティストとは様々なものからヒント得て,作詞・作曲をしていると思いますが,彼はそのベースが文学から得られた言葉の概念と小さい頃から向き合ってできたもの,つまり長年に渡って磨き上げられた感受性言葉の解釈から成り立っていることがわかります.

やはり,仮説は概ね合っていました.

また,出身高校も北海道ではランキング上位校.一般教養の深さも彼の作り出す音楽に反映されていることがよくわかりました.

 

私が感じたのそれだけではありません.曲を聞いていると勝手に体が踊ってしまう.まさしくDJと同じように,フロアを沸かすように!

なかなか日本の曲でダンスしたくなるような曲はありませんよね.そこで1つ「ダンスミュージックテイスト的な何かにハマった」という仮説を立て,作曲について調べたところ,このような記事が見つかりました.

──サカナクションの音楽にはジャンルや時代性を横断する印象を感じるのですが、ジャンルレスな表現をするため にインスピレーションのアンテナを働かせている学問や文化はありますか?

山口一郎(以下、山口):昔、フォークソングとダンスミュージックを混ぜる研究をしていたんですが、その時に思ったのは、人って違和感に対してリアクションするんですよ。「なにそれ?」って思うことに対して人は反応する。なので、良い違和感というものを徹底的に探し続けました。(GIZMODO)[3]

また,FUJI ROCK FESTIVAL'18のライブ後のインタビューで,この後DJライブすることについて聞かれていまいました.やりとりは以下.

ーずっとクラブシーンには地元のときから精通されてますし,自分でイベントされてますけど・・・.

僕らの立ち位置ってロックバンドが好きな子達の前で,ライブをすることが多くて,クラブミュージックってシーンにあまり触れていない世代が多いんですよね.でも 僕はやはりクラブでの遊び方みたいなところから音楽を学んできた人間なので,なんかその感じを伝えようということで,二ヶ月に一回とかイベントをやって,クラブバージンを奪うというか,クラブにきたことない子たちにクラブの体験をしてもらうということをやり続けてきたんで,まあ今回GREENのステージに立った後にRED MARQUEEでDJできるというのは僕らがやってきたかいがあるなって気がします.
YouTube[4]

デビュー後ダンスミュージックに影響を受けた,とかではなく,昔から研究していたようです.さらには自身がDJやっているとは.これはもう完全にこっち側の人で違いなしですね.

さらに調べてみると過去に彼がSNSで影響を受けた曲を紹介していたそうです.

これは,ロンドンのプロデューサー/DJ/作曲家のFloating Pointsのアルバム「VACUUM EP」.

彼は数万枚とも言われる膨大なレコードコレクションを持つDJであり,モジュラーシンセをこよなく愛し,バンドを率いて砂漠でレコーディングを行うプロデューサーであり,神経科学の博士号までをも持つ奇才.

モジュラーシンセとは電圧と回路だけで奏でられる電子楽器で,普通の楽器では奏でられない独特な機械音を奏生み出すことができます.

Floating Pointsの作る音楽は非常に丁寧上品なダンスミュージックの感じがします.

これらの曲は聞けば,モロにサカナクションの曲に反映されていることがわかります.しかし,このような独特なジャンルの音色を自分の歌詞のある曲に取り入れ作曲する能力は,さすが山口一郎と言わざるを得ません.

その他にもいくつか,自分の好きな曲を紹介していますが,そのエッセンスがサカナクションの曲に入っていることがよくわかります.



サカナクションが作り出す独自の空間

最後にもうひとつ,私がハマったサカナクションの魅力の1つは「ライブ」です.

ライブはアーティストグループによって形は様々ですが,サカナクションは日本では数少ない独自の演出を提供しています.

ここにも"DJ"好きの私がハマった理由が隠されています.まずはサカナクションのライブの写真を少し紹介

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ほぼDJのライブじゃん!

そう,ライブもクラブ仕立てになっているのです.照明やレーザー,VJを駆使し音楽と合わせることで,入ってくる音と自分も共鳴している感覚に陥ります.すでに山口さんがクラブから音楽にハマったことがインタビューからも明らかになっているので,そういったテイストがライブに加わっていても驚かないのですが,もう少し掘り下げていきます.

そのようなクラブ演出をプロデュースしているのが照明デザイナーの平山和裕さん

平山和裕(BAGS GROOVE/Lighting Director):大学在学中に活動を開始し卒業と同時にフリーランサーの照明となる。ライブ、演劇、ダンス、舞踏の現場で活躍し、90 年代後半からはクラブ、レイブシーン(SOLSTICE MUSIC FES.METAMORPHOSE 等)にも参加。 APHEX TWIN(SUMMER SONIC),ASIAN DUB FOUNDATION(FUJI ROCK)のオペレートやFISHMANS、EGO-WRAPPIN'、clammbonn、SOIL&"PIMP"SESSIONS など多様なアーティストのツアーに参加。ミュージシャンと音楽とオーディエンスを繋ぐ照明デザイナーとして活動。
mysound マガジン)[5]

インタビューではサカナクションとの出会いについてこのように答えています.

サカナクションからは、どういう経緯で声がかかったのですか?

10年ぐらい前かな? 彼らがメジャーデビューをするタイミングで「サカナクションのプロデューサーがクラブ・シーンとバンド・シーン、両方のテイストが解っている照明デザイナーを探している」という紹介を受けたんです。

ーなるほど。平山さんは2000年代前半あたりから数々のダンス・ミュージックシーンの現場を担当されていたので、適任だったと。

彼らと会って話してみると「クラブ・ミュージックをはじめとする四つ打ちやエレクトリック・ミュージックに興味がある」というので、色々と意気投合する要素が多かったんです。
mysound マガジン)[5]

やはりデビュー当時から山口さんが作り上げたいサカナクションのコンセプトはある程度決まっていて,その結果,平山さんと出会うべくして出会ったのかもしれませんね.

クラブミュージック・エレクトリックミュージックを日本人が取り入れるのは今となっては最先端ホットな感じがしますが,あのperfumeを手掛けてる中田ヤスタカでさえ,perfumeを今の形まで完成させるのに多くの時間がかかりました(プロデュースは2003年から).

それをものの数年で作詞・作曲・ライブ演出全てに関わり,今の形までに完成させた山口さんと彼を中心とする周りのチームメンバーの能力は計り知れないですね.



今回はチーム「サカナクション」を山口一郎さんを中心に調べていきました.彼の周りにいる人が構成するアーティストな部分を考えると,私が調べた内容はまだ氷山の一角にすぎないことが数々のインタビューや演出から分かります.

これからもチーム「サカナクション」が作り出す世界を追っていきたいです.

以上,DJ好きの僕がサカナクションにハマった理由でした.




ふう,書き終えたしサカナクションの公式サイトでも見てみるか・・・.

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あ・・・全部ここに書いてあった.

 

To be continued

[1]山口一郎 (歌手) wikipedia山口一郎 (歌手) wikipedia

[2]有意思的人生 THE SONGWRITERS 佐野元春×山口一郎 ①

[3]音楽家・サカナクション山口一郎に聞いた。インプットとアウトプットと、そのあいだにある重要なものとは?

[4]サカナクション(山口一郎)FRF'18 OFFICIAL INTERVIEW

[5]照明デザイナー・平山和裕が語る チームサカナクション的ライブ演出の極意【Behind the scenes】